ノルウェーのノルスケ・アルバムクラッシケレから、22年新規リマスター&見開きデジスリーヴでのリシュー。音質はクリアでよい。ホーストはオスロ近郊のナプスタッド出身のグループで、71年にスヴェイン・ローニングが結成したスヴェイン・スティッグ・ジョニーを母体として、72年にホーストに改名した。本作は、74年にノルウェーのオン・レコードからリリースされたファースト・アルバムで、確か邦題か「強靭な翼に乗って」。メンバーは、スヴェイン、ゲイル・ヤーレン、ラッセ・ニルセン、ベルント・ボダル、クヌート・R・リーの5人編成、プロデュースはニルス・B・クヴァム。メンバー談によると、結成当初からウィッシュボーン・アッシュ、途中からはノーヴェンバーやライフの影響も受けたということらしく、ツイン・ギター編成を基本とした泣きのハードネスと北欧プログレ然とした粘っこさが、けっこういい塩梅のマッチングを見せる。ブルース基調の適度にキャッチーな楽曲を、プログレ調のアレンジとハード調の演奏で展開していて、ツイン・ギターとゴリゴリ系ベースを軸に、バンド感十分で一体となって疾走する演奏は、ハマりのよいシャウト・ボーカルも含めわりと素直にカッコいい。全体に、例えばウィッシュボーン・アッシュ辺りを基調としたブルージー&メロディアスなハードネスに、ノーヴェンバー的北欧ハード色やイエス的プログレ色を加味したような印象で、北欧ヘヴィ・プログレまたはプログレ・ハード系の好盤と思う。
輸入盤
(Blues Hard/Progressive / Digi-Sleeve CD(2022 Re-master) / Norske Albumklassikere/Norway)