ドイツのエクリプス・レコードから、71年のフンランド・リトミ盤オムニバス「ポップ・メスタリト(裏ジャケに小さくスリーヴ掲載)」収録曲1曲をボーナスで加えてのリシュー。エロンコルジュはフィンランド南西部のポリ出身のグループで、ユッカ・シレーニウスが中心となって69年に結成されている。70年のフィンランド・ロック・チャンピオンシップ・コンテストで準優勝してEMIと契約、72年にファースト、78年にセカンドをリリースして解散した(03年に再編して現在も活動中)。本作は、72年にフィンランドのEMI/パーロフォンからリリースされたファースト・アルバムで、オリジナルLPは6ケタを超えるコレクターズ・アイレムとしても知られている。メンバーは、シレーニウス、ヘイッキ・ラユネン、イルッカ・ポイジャーヴィ、ヴェリ・ペッカ・ペッシ、エーロ・ランタシラの5人編成、プロデュースはクリッセ・ヨハンソン。概ね、ハード・ロックとヘヴィ・サイケ、プログレの狭間を行く炸裂系のサウンドを展開していて、ザクザクしたリフと弾きまくり感十分のギターを軸に、クッキリとスマートな朗々とした英詞ボーカルや哀愁のフルート、勢いのよいオルガン等々が適時絡む。全体にブルース色はそれ程強くなく、むしろ楽曲にはプログレ的暗さが顕われていて、例えばジャズ的要素をハード&サイケ調でやってみた的なハミ出し感が面白い。ともかくも、『多少の荒っぽさは気にしないぜ』的な勢い重視のラウドさで突っ走るギターと、それに負けじと疾走し続けるリズム隊のハイテンション振りは見事で、インプロでガンガン盛り上がる様はけっこうカッコよく、プレミアム云々を抜きにしても楽しめる好盤と思う。尚、ボーナス曲は本作以前の音源で、シレーニウスとペッシ以外は本作と違うメンバー。
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輸入盤
(Psyche Hard/Hard,Psyche,Progressive / Jewel-case CD(2021) / Eclipse Records/German)