ドイツのGTR傘下のCMPから、05年新規リマスターでのリシュー。既に廃盤のセカンド・バトル盤に比べ、音質は明らかによくなっていて迫力もある。ジンは、元々マールブルク出身のザ・ハリケーンズを母体として、ハンブルクに移住後ザ・ディシャス、ジンと名前を変えていったグループで、ジンはアラブ文化圏で古くから信仰されて来た火の精霊の名前。本作は、72年にドイツのベラフォン/バシラスからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、ペーター・ローレンツ、ベルント・カピト、シルヴィオ・フェアフルト、ウリ・ムントの4人編成、プロデュースはラルフ・イェンツェン。ブラック・サバスのギスギス感と、ユーライア・ヒープの演歌的哀愁をブルースで括った感じの、典型的B級ジャーマン・ハードを展開していて、英詞だがジャーマンならではのギスギス感を放つブルージー&ヘヴィ・サウンド。特に演奏が優れて上手いとか、楽曲が素晴らしいとかアレンジの妙があるという程のことはなく、全体にB級クラウト感満点でアングラ感も十分といった感じだが、勢い重視の演奏と煮え切らないアレンジにはちょっと独特のクセというか引っ掛かりがあって、それが個性として味わいになっている印象。このカラっとしたアングラ感とベタなB級センス、クラウト然としたアメた雰囲気のゴリ押し感は面白く、ハード・ロック愛好家ならけっこう楽しめると思う。コーランで言及されているタイプのジンを図像化したと思われるスリーヴの絵も、ほとんどダリのパクりにしか見えないが、ビザーレなダメダメ感がサウンドと程々に一致している感じで悪くない。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche Hard/Blues,Progressive / Jewel-case CD(2005 Re-master) / CMP/German)