スペインのゾモー・レコードから、15年24ビット・リマスターでのリシュー。多分初CD化。バザールは71年にオスロで結成されたグループで、結成当初はロルフ・オーケルヴィク&バザールと名乗っていたようだが、73年のファースト・リリース時のバザールに改名したらしい。本作は、74年のノルウェーのプラテセルスカペット・マイからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、オーケルヴィク、ベント・パテイ、ペール・ヴェスタビィ、オーレ・ヘンリク・イオルツの4人編成を基本に、1曲でバック・ボーカルがゲスト参加、プロデュースはアルヴィド・エスペロ。概ね、ハード・ロックにプログレ色が加味された北欧ジャジー・ハードと呼べるサウンドを展開していて、曲によってハードだったりプログレだったりする感じはノーヴェンバーやライフと近似するが、ブルース色はそれ程強くない印象。ハード・ロック・ナンバーはほぼツイン・ギター編成で、時折ウィッシュボーン・アッシュ的なリフやフレーズも飛び出して、勢いのよい疾走感はけっこう素直にカッコいい。楽曲やアレンジにはブルース色は薄いが、わりとブルージーなリード・ギターは流暢で、ギター・ソロ的なインプロでは濃密な盛り上がりも見せる。ウエスト・コースト調のナンバーも、アコースティック・ギターが殊の外上等で心地好く、時折聴こえるオルガンやフルートにはサイケの残滓も担保。北欧ハード然とした演奏の粘っこさも含め、ハード・ロック&ヘヴィ・プログレ系愛好家なら十分に楽しめるだろう掘出し物的好盤と思う。
輸入盤
(Blues Hard/Progressive,Blues / Jewel-case CD(2015 24bitRe-master) / Sommor/Spain)