ドイツのレパートリーから、06年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。オリジナル通りの6面開き紙ジャケ仕様、音質はクリアでよい。マイク・アブサロムはデボンシャーのトーキー出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、60年代前半から路上での弾語りを開始、平行して65,69年にアルバムもリリースしていて、バスカーとしてはそれなりに知られた存在だったらしい。80年代にカナダに移住してハープを軸とした民族音楽家や詩人、子供向けタレントとして活動、02年以降はアイルランドに移住して画家になったらしい。本作は、71年にUKヴァーティゴからリリースされたサード・アルバムで、メンバーは、ボーカル&ギターのアブサロム以外のクレジットがなく、プロデュースはパトリック・キャンベル・リオンズ、スリーヴ・デザインはロジャー・ディーン。概ね、少しユーモラスなニュアンスのあるフォーク調サウンドを展開していて、アブサロムのギター弾語りを軸に、ホンキー・トンク調のピアノや、スキッフル&ラグタイム調のリズム隊が適時絡む。全体にバスキング的空気感が基調にあって、『普通の人々の日常をおもしろ可笑しく切り取った』という歌詞の、芝居がかった表情の歌い回しも、しつこくなくてわりといい塩梅に聴き流せる感じ。当時、『不気味なひねりを加えた無邪気さ』と評されたこともあるようだが、どこかしらトラッドの系譜に連なる世相への風刺が効いている印象で、後に子供向けタレントになるというのは妙に納得させられた。特段に強いインパクトはないが佳曲もあって、変テコなスリーヴも含めこの線としてはそう悪くない1枚。
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(Folk&Folk Rock/Busking,Swamp,Folk / Paper-Sleeve CD(2006 Re-master) / Repertoire Records/German)