国内のセレストから、18年新規リマスターでのリシュー。国内初CD化。レズリー・ダンカンはダラム州ストックトン・オン・ティーズ出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、63年にシングル・デビュー以降中堅シンガーとして活動していたが、10枚目のシングル「ラヴ・ソング」をエルトン・ジョンが気に入り、2人のデュエット・ヴァージョンがシングル・ヒットしたことで一躍知られる存在となった(後にデヴィッド・ボウイやオリビア・ニュートン・ジョンもカヴァー)。77年までに5枚のアルバムをリリースして引退するが、ピンク・フロイドの「狂気」やアラン・パーソンズ・プロジェクトの「イヴ」を始めとして、数多のアーティストのアルバムにもバック・ボーカリストとして参加している。本作は、74年にUKのGMレコードからリリースされたサード・アルバムで、邦題は「エヴリシング・チェンジズ」。ブックレットには歌詞が掲載されているが解説はなく、レズリーのプライヴェート・スナップ写真が1枚封入されている。メンバーは、レズリー、旦那さんでプロデュース兼任のジミー・ホロヴィッツ、ジム・ライアン、ボブ・コーエン、ラリー・スティール、アンディ・ボウン、バリー・デ・スーザの7人を中心に、曲によってライザ・ストライク、スー・グローヴァーのハーモニー・コーラス、ホロヴィッツのアレンジによるストリングス&ブラスが入る他、ピーター・フランプトン(ex.ザ・ハード,ハンブル・パイ,etc)が適時ゲスト参加。例えば、日本のニュー・ミュージックのお手本のような、ブルー・アイド・ソウル色を基調にSSW的フォーク&ロック色、ファンク色、ポップス色をエレガントに纏めたサウンドを展開。全体にしっとりとメロディアス&柔らかい仕上がりで、くぐもり感十分のレズリーのボーカル、淡い郷愁感を放つ楽曲、アンバーで跳ねないバックの演奏が、非常によいマッチングを見せる好盤と思う。心地好し!。
セレスト盤
(Folk&Folk Rock/SSW,Soul,Folk,Pops / Jewel-case CD(2018 Re-master) / Celeste/Japan)