USAのオウル・レコードからのリリース。ケイト・ウォルフはサン・フランシスコ出身のフォーク・シンガー&シンガー・ソング・ライター(SSW)で、69年からカリフォルニア州ビッグ・サー地域の音楽コミュニテーで活動を開始、71年にその後夫となるドン・コフィンとソノマ郡に移住してザ・ワイルドウッド・フラワーを結成、79年のワイルドウッド・フラワー解散とコフィンとの離婚を経てソロ活動に転じた。その後、86年に白血病で44歳の若さで他界している。本作は、96年にUSAフラット・ロック・レコードからリリースされた発掘ライヴ盤で、78〜81年にかけてカリフォルニア州バークレーで行われたライヴ音源がコンパイルされていて、バークレーのKPFA-FMラジオ放送用音源。メンバーは、ボーカル&ギターのケイトと、ギター&マンドリン&ハーモニカのニーナ・ガーバーのデュオを基本に、2曲程でベース(おそらくフォード・ジェームズ)が入る。ニーナとマックス・ウォルフ(ケイトの息子)の共同プロデュース。ベースが入るカントリー調の6,7曲目以外は、ケイトの弾語りまたはケイトとニーナによるシンプルで素朴なフォークで、淡々とした木漏れ日調の情感が涼やかなくぐもり感に収束。肯定的しっとり感とカラっとしたウエスト・コースト感が担保されたサウンドは、ある意味ザ・アメリカン・フォーク的イメージで、ワイルドウッド・フラワー時代からの相棒でもあるニーナのサポートのハマりもよく、わりと流していて素直に心地好い。初期ジョニ・ミッチェルやジョーン・バエズ辺りの空気感に近似していて、フォーク系愛好家の琴線に触れると思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Folk&Folk Rock/Folk,SSW / Jewel-case CD(2013) / Owl Records/USA)