UKのイージー・アクション/トルバドールから、限定ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様、15年新規リマスター盤。キャロリン・ヘスターはテキサス州ウェーコ出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ピーター・ポール&マリー等と共に、グリニッジ・ヴィレッジ周辺の黎明期アメリカン・フォークを代表する存在の1人。本作は、62年にUSAコロムビアからリリースされたサード・アルバムで、メンバーは、ボーカル&ギターのキャロリン、ギター&ヴァイオリンのブルース・ラングホーン、ベースのビル・リーの3人を基本に、曲によってボブ・ディランがハーモニカでゲスト参加、プロデュースはジョン・ハモンド。概ね、ギター中心のシンプルなアレンジに、キャロリンの涼やかなシンギングが映えるど真ん中のアメリカン・フォーク調で、当時の典型的なスタンダード・サウンドを展開。トラディショナル・ソングのアレンジを軸とした楽曲群は、今となってはちょっと懐かしいセピア調の郷愁感十分だが、曲への敬意が担保された聴きやすいアレンジと、ブルースの要素をミックスさせた演奏は、当時新しい風として受け止められた。全体にキャロリンの美しい声のハマりもよく、佳曲の多い好盤と思う。この後、フォーク畑で煮詰まったキャロリンは、キャロリン・ヘスター・コーリションを結成してサイケ方面にシフト。余談だが、ディランは本作がきっかけでハモンドに気に入られデビュー、バックを担当するようになったラングホーンをモデルに「ミスター・タンブリン・マン」を書いたとされる。
輸入盤/デッドストック入荷
(Folk&Folk Rock/Folk,Pops / Paper-Sleeve CD(2015 Re-master) / Troubadour,Easy Action/UK)