国内のスーパー・フジ・ディスクから、限定7インチEPでのリシュー。日本コロムビア所有のオリジナル・マスターテープからのカッティング音源、オリジナル盤スリーヴを忠実に再現した50周年記念復刻盤。ジャックスは、早川義夫が和光高校在学中の65年に結成したナイチンゲイルというフォーク系の高校生バンドを母体として、早川と高橋末広のデュオ形態になった66年にジャックスに改名したグループ。以後、高橋は脱退するが同じ高校出身の水橋春夫、谷野ひとし、木田高介が順次参加してロック・バンド化し、68年3月にタクト・レコードからシングル「からっぽの世界/いい娘だね」でデビューした。オリジナルLPやEPのプレミア価格なども含め、もしかして本人達の意志とは関係ないところで伝説化してしまった、ジャパニーズ・サイケ方面のビッグ・ネームの1つ。本作は、前述の通り68年にリリースされたファースト・シングルで、メンバーは、早川、水橋、谷野、木田の4人編成、プロデュースは渡辺貞夫。解説不要の著名盤と思うが、「僕、啞になっちゃった」で始まり、「僕、死んじゃったのかな」、「静かだな、何もない」となるA面のインパクトは強烈で、ヘロヘロ&ダークなサイケ臭満点。A面よりはストレートな恋愛詩の様相を呈しながら、それとは別の何かを内包するB面も含め、メロディアスさとエグ味が交叉する楽曲、アングラ感十分の一捻りあるアレンジと演奏の妙は正しくサイケで、ともかくも不健康さがフィードバックしてくる好盤と思う。木田と水橋に合掌!。
スーパー・フジ・ディスク盤/限定プレス
(Psyche/GS,Folk Rock,Progressive / 7inch EP(2018) / Super Fuji Discs/Japan)