フランスのエアフォノ・レコードから、デジパックでのリリース。シュペール・パルケはオーヴェルニュ地方クレルモン・フェラン出身のグループで、ルイ・ジャック(ex.ラ・プレイラ,etc)が中心となって11年頃に結成されている。15年にファースト、19年にセカンド・アルバムをリリース、地元オーヴェルニュ圏のトラッドを基調に、ブールドン(ハーディ・ガーディとシュルティを合体させたような自作プリペアド楽器)やヴィオール、キャブレット(フレンチ・バグパイプ)、バンジョー等に、エレクトロニクス(アナログ・シンセ、リズムボックス他)を絡めてラジカル・トラッド的サウンドを展開する面白い存在。本作は、22年にリリースされたサード・アルバムで、メンバーは、ファーストから不変のジャック、アントワーヌ・コニェ(ex.ジェリコ,etc)、シモン・ドルーアン(ex.ジハード,ラ・プレイラ,etc)、ジュリアン・バラタイの4人編成。概ね、従来の『ガルマルナやヘドニンガルナ方面の北欧ラジカル・トラッド的要素と、マリコルヌやアラン・スティーヴェル方面の先鋭的なフレンチ・トラッド的要素の融合』路線を担保しつつも、若干ボーカルの比重が薄れジャーマン・ロック調のクラウトなドローン感が増している印象。トラッド然としたメロディ、リフ&フレーズのギスギスした郷愁感と、トランシーなようでいてダンサブルではないエレクトロニクス系のリズムのハマりがよく、ドローン感に収束するブールドン、ヴィオール、キャブレット辺りのギラギラした音色も浮世離れ感十分。言葉通りの当世エレクトリック・トラッド系として、濃密でカッコいい好盤と思う。面白い!。
輸入盤
(Trad&Folk/French Trad,Radical Trad,Electronics / Digi-Pack CD(2020) / Airfono/France)