ドイツのレパートリーから、10年新規リマスター&見開きペーパースリーヴでのリシュー。音質はクリアで迫力もあって非常によい。ルネッサンスは、キース&ジェーン・レルフ達のオリジナル・ルネッサンス消滅後、マイケル・ダンフォードとアニー・ハズラムをキーパーソンとして再編されたグループで、メンバーも音楽性も異なる別のグループといってよいと思う。本作は、72年にUKソヴリンからリリースされたファースト・アルバムで、ダンフォードはソング・ライターとしてのみ参加していて、メンバーはアニー、ジョン・タウト、ロブ・ヘンドリー、ジョン・キャンプ、テリー・サリヴァンの5人編成、マイルス・コープランドとバンドの共同プロデュース、スリーヴ・デザインはヒプノシス。クラシカルなフレーズをジャズ・ロック調で展開した軽快なバックに、アニーのスカっと突き抜けたスキャット・ボーカルが冴え渡る1曲目から圧巻で、この上なく美しいピアノのアルペジオに清楚なボーカルが映える3曲目や、フォーク・ロック調のギターとメロディアスなベース、リリカルなピアノが見事なマッチングを見せる4曲目、アラビック調のギターがカッコいいサイケかつ重厚な6曲目などなど、嫌味なくメロディアスで雰囲気も抜群の好ナンバーが並んでいて、ともかくも非常に楽曲のクオリティが高いという印象。この時期、ダンフォードが作曲に専念したいといって演奏メンバーから離れ、代わりに加入したギタリストが交通事故で他界して急遽ヘンドリーが加わったり、オリジナル時代のジム・マッカーティのナンバーも2曲程入っていたりと、ゴタゴタしていた状態の中で制作された過渡期的作品という側面はあるものの、全編に渡ってエレガントな湿った英国の香り漂う、クラシカル・シンフォニック・プログレの大好盤に違いない。EUプレス盤
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(Progressive/Symphonic,Classic,Folk Rock / Paper-Sleeve CD(2010 Re-master) / Repertoire/German)