韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、18年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。見開き紙ジャケ仕様、オビ付。ファースト・エイドは、70年代中頃にロンドンで結成されたグループで、本作は77年にUKデッカからリリースされた唯一のアルバムと思われる。メンバーは、アラン・ウォーマルド、キース・パーキンソン、ノリー・テナント、デイヴ・フリーマン(ex.イギンボトム)の4人編成で、オーケストラ・アレンジ&音楽監督はリチャード・ヒューソン、ナレーションはレイモンド・ハーディ、プロデュースはジミー・パーソンズ。タイトルからも判る通り、ノストラダムスの予言書をモチーフとしたトータル・コンセプト・アルバムで、わりと華麗なオーケストラを配した重厚なヘヴィ・シンフォニック・プログレを展開。楽曲自体はそれ程クラシカルではないが、ピアノ・ソロも含むキーボード群とオーケストラのパート、アレンジ/構成はほぼクラシック調で、そこにヘヴィ・シンフォニック調のバンドの演奏が絡む。時折AORプログレ的なメロウさも顔を出し、ジェントリーなボーカルとよいマッチングを見せるが、ヘヴィな演奏で盛り上がるパートも中々のカッコよさを放っていて、特に2,6,8曲目辺りはヘヴィ・シンフォニック・ナンバーとしてわりと佳曲。全体に、ブリティッシュ的な湿った質感を放っていて、濃密でドラマティックなオーケストラと、タイトで引き締まったバンドの演奏が上手く噛み合った掘出し物的好盤で、クラシカル&シンフォニック・プログレ愛好家なら素直に楽しめると思う。余談だが、ノストラダムスはペンネームで、本名はミシェル・ド・ノートルダム。
輸入盤
(Progressive/Classic,Heavy Symphonic / Paper-Sleeve CD(2018 Re-master) / Big Pink Music/Korea)