UKのビリーヴァーズ・ローストから、デジパックでのリリース。カヴース・トラビはテヘラン生まれプリマス育ちのイラン系イギリス人マルチ奏者で、モンスーン・バスーン(ファゴット)、カーディアックス、ナイフワールド、ユートピア・ストロング、メディエバル・ベイブスなどでのバンド活動、リチャード・ワイルマンとのデュオ・ユニットなどでの活動やソロ活動の他、何より現ゴングのフロントマンとして知られていると思う。本作は、24年にリリースされたソロ名義セカンド・アルバムで、メンバーは、ボーカル、ギターの他、全てのパートをトラビが1人でマルチに熟す多重レコーディング。概ね、現ゴングやナイフワールド方面のドラッギーなサイケ感を基調としつつ、アンダーグラウンド過ぎずメインストリーム過ぎずのポップネスを織り交ぜたサウンドを展開していて、エレガントなカンタベリー感もいい塩梅の具合で担保。20年ソロ・ファースト「ヒップ・トゥ・ザ・ジャグ」のリリース時には、既に本作の構想はあって制作にもある程度着手していたらしいが、コロナ禍によるロックダウンとそれに伴う家族との心のすれ違い、自身の精神的不調などなどを経て、改めて肯定的で前向きなサウンドを指向してじっくり制作したということで、この内省的なキャッチーさは、その辺りの経緯にも起因しているのかも知れない。全体に緩やかで落ち着いていて、派手な炸裂はないがちゃんと濃密で流していて素直に心地好く、ちょっとしたストレンジ方面の隠し味も含め、ポップな聴きやすさと涼やかな浮遊感が交叉する好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Psyche,Canterbury,Pops / Digi-Pack CD(2024) / Believers Roast/UK)