UKのヴォイスプリントから、未発表音源1曲をボーナスで加えての、05年新規リマスターでのリシュー。ゴングメイソンは、81年以降オーストラリアに帰国していたデイヴィッド・アレンが、88年に再びロンドンに戻って拠点をこしらえ、その当時のパートナーのワンダナ・ブルース、旧友ディディエ・マルエブ、マザー・ゴングのハリー・ウィリアムソン等と共に新たに結成したグループ。本作は、89年にUKデミ・モンドからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、アレン、ワンダナ、マルエブ、ウィリアムソン、グラハム・クラーク、コンラッド・ヘンダーソン(ex.マザー・ゴング,etc)、シャイアマル・マイトラ(ex.マシュー,etc)の7人を核に、曲によってジェニ・ロジャー、ロバート・カルヴァート(ex.マザー・ゴング,キャタピラ,etc)等が適時参加、プロデュースはウィリアムソン。さながら再編ゴング的様相のバンド形態で、アレンの人を喰ったホラ吹きおじさん的キャラクターが織りなす物語性と、従来のゴング調に国籍不明の民族音楽色を取り込んだアンサンブルが、けっこう見事なマッチングを見せるサウンドを展開。ゆるいセッション感を担保しつつも、それなりに演奏性の高いアンサンブルと緩急の効いたアレンジは、やはりどこを取ってもゴング的で、マルエブの管楽器は勿論、クラークのヴァイオリンのハマりも上々。おそらくバンマスとして要所を締めるウィリアムソン、太い音でグルーヴを支えるヘンダーソンのベースも強力で、全体が祝祭的パーティー感に収束する空気感も、ゴングのエッセンスを十分に継承している印象。70年代中盤までのゴング的なるものが好きなリスナーなら、まずもって楽しめると思う。
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(Progressive/Psyche,Canterbury / Jewel-case CD(2005 Re-master) / Voiceprint/UK)