スペインのアマールクセから、デジパックでのリリース。トム・ペナガンは、ジン、オルゴン等で活動するフランス人ギタリスト兼マルチプレーヤーで、本作は24年にリリースされたソロ名義ファースト・アルバム。ギター、キーボード、ベース、ドラム、テープ・コラージュ等々、全てペナガン1人によるレコーディングで、プロデュースもペナガンのセルフ。概ね、エッグ、カーン、ハットフィールド&ザ・ノース、ナショナル・ヘルス、ギルガメッシュ辺りのカンタベリー・ジャズ・ロック感をストレートに反映したというか、モロに憧憬を表明した頌歌(オード)的なサウンドを展開していて、ゾップのライアン・スティーヴンソンやアメーバ・スプリットのアルベルト・ビジャロヤ・ロペス等が賛辞のコメントを寄せている通り、非常にカンタベリー・ライクでエレガントなアンサンブルを堪能出来る。楽曲やコード、畳み掛けるアレンジのハットフィールド感や、フェンダー/ローズ、ホナー・ピアネット等のヴィンテージ機材を使ったキーボード群の音色のデイヴ・スチュワート感、せっかちでパタパタしたドラムのピップ・パイル感などなど、ちょっと笑っちゃうほどにそれらしさ十分。ジョン・グリーヴスとモント・キャンベル、ビル・マコーミック辺りをゴタ混ぜにしたようなファズ・ベースもかなり面白いが、特に凄いというかおそらくハイライトなのはギターで、フィル・ミラー調の2曲目やスティーヴ・ヒレッジ調の4曲目の炸裂感は素直に圧巻。さらに、時折フィル・リー的なフレーズやメロディも飛び出したりしていて、ハットフィールド系のカンタベリー愛好家ならまずもって楽しめること請け合いの好盤と思う。
只今在庫切れとなってしまいました。ご予約オーダー・お問い合わせ等は、問い合わせフォームからお受けいたします。入荷見込み・時期など現在の状況を改めてお知らせいたします。
輸入盤
(Progressive/Canterbury,Jazz Rock,Psyche / Digi-Pack CD(2024) / aMARXE/Spain)