UKのエソテリックから、12年新規24ビット・リマスターでのリシュー。音質はクリアで奥行きと透明感が増していて、今までで一番よいかも知れない。ハッピー・ザ・マンは、ヴァージニア州ハリソンバーグでゼルダを母体として74年に結成されたグループ。72年のドイツで父親の軍役についてきていたスタンリー・ホワイテイカーと、軍役で滞在していたリック・ケンネルが知り合い、ホワイテイカーが73年に帰国後、ケンネルに紹介されたマイク・ベック等とともにゼルダを結成、74年にキット・ワトキンスが加入しドイツから帰国したケンネルも合流して、名前をハッピー・ザ・マンに変えたという流れ。この後、ワトキンスが「ヌード」からキャメルに加入したことで知っている人もいると思う。本作は、78年にUSAアリスタからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのホワイテイカー、ワイアット、ワトキンス、ケンネルの4人に、新たにロン・リドルを加えた5人編成、プロデュースはケン・スコット。ともかくも、11拍子の小憎らしいリフを基調とした1曲目の「サーヴィス・ウィズ・ア・スマイル」のカッコよさが尋常ではなく、この炸裂感とドライヴ感は大きなインパクトを放つ。他の曲は、ファースト同様のエレガントで洗練されたジャズ・ロック/クロスオーヴァー・プログレで、相変わらず耳触りの丸いエレガントな味わいで心地好い。1曲目が突出している印象で、そこ基準にすると他は地味な感じではあるが、この1曲目の濃密さと上等さの普遍的なカッコよさは、ジャズ・ロック系、シンフォニック系、テクニカル系のどの愛好家でもわりと素直に楽しめるのではと思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Jazz Rock,Crossover,Canterbury / Jewel-case CD(2012 24bit Re-master) / Esoteric/UK)