ドイツ/UKのレパートリーから、05年新規リマスター&デジパックでのリシュー。ヴァーティゴ・ロゴマーク入で、音質はクリアかつ迫力もあってよい。ジェントル・ジィアントは、元サイモン・デュプリー&ザ・ビッグ・サウンドのシャルマン3兄弟を軸に、70年にロンドンで結成されたグループで、変拍子とポリリズムを多用する独自のスタイルを確立、現在でも一定の人気と知名度を保つビッグ・ネームの1つ。本作は、71年にUKヴァーティゴからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、ファーストと同じデレク・シャルマン、ゲイリー・グリーン、ケリー・ミネア、レイ・シャルマン、フィル・シャルマン、マーティン・スミスの6人編成、プロデュースも同じくトニー・ヴィスコンティ。『優しい巨人』がラヴレーのガルガンチュワなのかパンタグリュエルなのかは判らないけれど、ファーストの内スリーヴにヴィスコンティが書いた童話にもある通り、多分このバンド名の由来はその辺りにあって、それは本作の1曲目「パンタグリュエルの生誕」のユーモラスな詩と、絶妙のマッチングを見せる楽曲からも窺える。前作と本作は特にエコー&リバーヴ効果を巧みに操ったサウンド・メイキングが面白く、この絵画的でイマジネイティヴな定位と音像は、ヴィスコンティのプロデュース手腕に負う所も大きかったのかも知れない。複雑なハーモニー・コーラスも含めたアンサンブルの上等さは勿論、カンタベリー・ライクな耳触りの柔らかさとエレガントさに加え、くぐもった情感としつこ過ぎないポップネスがいい塩梅でマッチングしていて、英国らしい気品とユーモア十分の好盤と思う。素敵!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Psyche,Pops / Digi-Pack CD(2005 Re-master) / Repertoire/German,UK)