UKのダイアド・レコードから、デジパックでのリリース。ソフト・マシーン(・レガシー)は、その名の通りエルトン・ディーン、ジョン・エサーリッジ、ヒュー・ホッパー、ジョン・マーシャルの元ソフト・マシーンのメンバー達が04年に結成したグループで、ソフト・マシーンを名乗る権利はカール・ジェンキンスが持っていたため、お尻にレガシーを付けたものと思われる。本作は、23年にエサーリッジの自主レーベルであるダイアド・レコードからリリースされたアルバムで、18年の前作「ヒドゥン・ディテールズ」からその権利問題がクリアになってレガシーが取れ、ソフト・マシーン名義12枚目の作品となった(レガシー以降としては通算7枚目)。メンバーは、前作からのエサーリッジ、マーシャル、テオ・トラヴィスの3人に、新たにフレッド・セロニアス・ベイカー(ex.フィル・ミラー/イン・カフーツ,ピップ・パイルズ・バッシュ,ハリー・ベケット,etc)を加えた4人編成を基本に、引退を表明したロイ・バビントンが2曲でゲスト参加、トラヴィスとエサーリッジの共同プロデュース。まずは「ペニー・ヒッチ」と「ジョイ・オブ・ア・トイ」のリメイクが目を惹くが、1曲目も「ソフト・ウィード・ファクター」っぽかったり、何かしらどこかで聴き覚えありやなしやのリフやフレーズが鏤められていて、けっこう随所でデ・ジャヴ感に遭遇。とはいえそれは、過去曲のステルス的な拝借とかではなく、独特のラインで動き回るベイカーのフレットレス・ベースや、トラヴィスの装飾的エレクトロニクス辺りも新たなテイストを加味していて、各人の『ソフツらしさ』が結果としてデ・ジャヴ感に繋がっているという印象。バビントンに続き、マーシャルも本作で引退を表明したらしいが、エサーリッジのギターもわりと健在で、ともかくも手応え十分の好盤と思う。
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輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Canterbury,Psyche / Digi-Pack CD(2023) / Dyad Records/UK)