UKのエソテリックから、09年新規24ビット・リマスターでのリシュー。ナショナル・ヘルスは、ハットフィールド・アンド・ザ・ノース解散後に、デイヴ・スチュワートがギルガメッシュにステージ・サポート・メンバーとして参加したのを端緒として、ハットフィールドのスチュワートとフィル・ミラー、ギルガメのアラン・ガウエンとフィル・リーに、元エッグ、ユリエル(aka.アザッケル)のモント・キャンベル、クリムゾン解散後のビル・ブルーフォード、ノーゼッツのアマンダ・パーソンズ等が加わって75年に新たに結成されたグループで、カンタベリー人脈の数多のミュージシャン達が出入りした、70年代カンタベリー系の総決算的性格のグループ。本作は、77年にUKアフニティからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、スチュワート、ミラー、ピップ・パイル、ニール・マーレイの4人編成を基本に、ガウエン、アマンダ、ジョン・ミッチェル、ジミー・ヘイスティングスがほぼ全ての曲でゲスト参加している。前述以外にも、カーン、キャロル・グライムス・デリヴァリー、マッチング・モウル、ゴング、ソフト・ヒープ、キャラヴァン等々の関連メンバー達で、さながらカンタベリー・オール・スター的な様相だが、非常に濃密で演奏性が高く、エレガントでメロディアスなジャズ・ロックを展開。嫌味なくテクニカルな演奏と、透明感のあるアマンダの女性スキャット・ボーカルが絶妙のマッチングを見せ、カンタベリー然とした美しいメロディがオーロラのように幾層にも重なって織りなすサウンドは、ともかくも素直にカッコよくて心地好い。特に、スチュワートのオルガンとミラーのギターは神懸かり的な冴えを見せていて、およそ文句なしの好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Jazz Rock,Canterbury / Jewel-case CD(2009 24bit Re-master) / Esoteric/UK)