ドイツのTRC傘下のバイ・オア・ダイからのリシュー。マホガニー・ラッシュはケベック州モントリオール出身のグループで、当時17才のフランク・マリノが中心となって70年に結成されている。フランクは、ジミヘン、ビートルズ、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス等に影響を受けて、13才の頃からドラマーとしてバンド活動を始めたが、度々ドラッグ禍で病院にリハビリ入院を繰り返し、そのリハビリ入院中にギターを練習してギタリストとなったという経緯があるらしい。本作は、73年にカナダのコタイからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、マリノ、ポール・デル・ハーウッド、ジム・エイヨーブのトリオ編成。ジミヘンに捧げられた本作は、基本的にはフランクのジミへンへのオマージュがたっぷりと詰まったブルース・ロック作品というか、ジミヘンが好きで好きでたまらないといった感じのブルージー・ナンバーが並んではいる。ところがしかし、むしろテイストとしてはビートルズやクイックシルヴァー方面の要素がわりと感じられ、その意味ではそれ程ジミヘン・ライクな印象ではない。それはおそらく、60年代のドラッグ・カルチャー全体に対するオマージュであると同時に、ドラッグへの決別宣言という事なのかも知れない。この、ブルース、サイケ、ハード・ロック、プログレの煮え切らない折衷感は、後の作品群のような疾走するハード・ロック調の突き抜け感はないが、マホガニー・ラッシュの夜明けとしてB級の味わいは十分で、少なくとも現在50代以上の世代のリスナーには、それなりに共感出来る何かがあるように思う。
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輸入盤／デッドストック入荷
(Blues&Swamp/Psyche,Heavy Blues,Hard / Jewel-case CD(1997) / Buy Or Die/German)
