USAのギア・ファブ・レコードからのリリース。レスリーズ・モーテルは、元ブルース・プロジェクトのロイ・ブルーメンフェルドが、元オックスフォードのビル・タリス、レイ・バリックマン、ポール・ヘルニと共に71年に新たに結成したグループで、ケンタッキー州ルイビルを拠点に活動していたが、リアルタイムで作品をリリースすることなく解散してしまったらしい。本作は、72年にレコーディングされながらオクラ入となったアルバム用音源で、09年にUSAギア・ファブから発掘音源CDとしてリリースされた。メンバーは、ブルーメンフェルド、タリス、バリックマン、ヘルニ、マイク・サイボルト、リチャード・ブッシュの6人編成で、わりと端的なオールマン・ブラザース・タイプのブルース・ロックを展開。かなり「ウィッピング・ポスト」っぽい「マイ・スイート・ウーマン」や、「イン・メモリー・オブ・エリザベス・リード」をサンタナ調でやってるような「ウインドミルズ」、「ラティーノ・モーテル」なども含め、随所にオールマン的なリフやフレーズが散見され、ギターとオルガンを主軸としたアレンジやバンド感満点のアンサンブル、セッション調の盛り上がりなどなど、全体的にオールマン感十分。とはいえ、あからさまなエピゴーネンということではなく、オリジナリティはちゃんと感じられ楽曲も悪くなく、シングル・コイル系のレスポールの音色やボトルネックのハマりも上々で、インプロでガンガン盛り上がる演奏は素直にカッコいい。何か不幸なすれ違いがあってオクラ入になったのかも知れないが、この線としてはリリースされて然るべき水準のサウンドで、ブルース・ロック系愛好家ならまずもって楽しめるだろう、言葉通りの掘出し物的好盤と思う。カッコよし!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues&Swamp/Blues,Southern Rock / Jewel-case CD(2009) / Gear Fab/USA)