UKのエソテリックから、13年新規24ビット・リマスターでのリシュー。音質はクリアで迫力もあってよい。ワイルド・ターキーは、元ジェスロ・タルのグレン・コーニックが中心となって、ゲイリー・ピックフォード・ホプキンス、ジョン・ウェザース、グラハム・ウィリアムス等の、アイズ・オブ・ブルー、アンシエント・グレース、ビッグ・スリープ関連メンバー達とともに、71年にロンドンで新たに結成したグループ。ウェザースとウィリアムスは直ぐに辞めているが、前述の他にもニュートロンズやマン人脈のウェールズ出身者の多いバンドだった。本作は、72年にUKクリサリスからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、コーニック、ホプキンス、ジョン・ブラックモア、アラン・ルイス、ジェフ・ジョーンズの5人編成、プロデュースはロジャー・ベイン。ホプキンスのソウルフルなハイトーン・ボーカルと、コーニックのウネウネ・ベース、ルイスの鋭角に切り込んでくるブルージー・ギターを軸とした、ハード・ロック色のあるヘヴィ・ブルース・ロックを展開していて、適度なプログレ&サイケ風味とブリティッシュ的なスワンプ色が相俟った、いかにも英国的ないなたさを放つ味わい深いサウンド。スカスカがだ濃密さも同居する演奏は、フリーのような成功には至っていないが、寸止めのハードネスも含めた疾走感はそれでも素直にカッコよく、適度な哀愁のある楽曲も悪くない。基本的には、アンシエント・グレース辺りにも近似するブルース&スワンプ路線という印象で、ベインのプロデュース手腕も手伝ってか各パートのキャラ立ちもハマっていて、B級の捨て難さを放つ好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues&Swamp/Hard,Psyche,Progressive / Jewel-case CD(2013 Re-master) / Esoteric/UK)