ドイツのレパートリーから、10年新規リマスター&見開きペーパースリーヴでのリシュー。音質はクリアで迫力もあって非常によい。スナッフは、ボビー・ハリソン(ex.プロコル・ハルム,etc)がフリーダム解散後の72年に制作したソロ・アルバム「ファンキスト」(リリースは75年)に、 ミッキー・ムーディ(ex.トラムライン,ジューシー・ルーシー,etc)が参加したことを契機として、この2人が中心となってロンドンで新たに結成されたグループで、他にもピート・ソリー(ex.パラディン,プロコル・ハルム,etc)、コリン・ギブソン(ex.ジンジャー・ベイカー・エア・フォース,マーク・アーモンド,etc)、テリー・ポップル(ex.トラムライン,アラン・ハル,etc)というメンバー達が集結したある意味スーパー・バンド。本作は、73年にUKのWWAからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、前述のハリソン、ムーディ、ソリー、ギブソン、ポップルの5人編成、ヴィク・スミスとバンドの共同プロデュース、スリ-ヴ・デザインはロジャー・ディーン。概ね、ハリソンの粘っこいソウルフルなボーカルとムーディの軽快なスライド・ギターを軸とした、スワンピー&ファンキーなポップ・ハード色内包のブルース・ロックを展開していて、楽曲はアメリカ指向ながらいかにもブリティッシュ的なイモっぽいヘヴィネスと湿った質感は、わりと独特のマッチングで面白い。ブルースを基調としつつも、ムーディのマンドリンとソリーのヴァイオリンがハマるスワンプ・ナンバーや、沈むグルーヴ感がいい塩梅のファンク・ハード・ナンバーなどなど、演奏も上手くて素直にカッコよく、ハード・ロックやブルース&スワンプ・ロック系愛好家なら、わりと問題なく楽しめるだろう好盤と思う。
輸入盤
(Blues&Swamp/Hard,Blues,Swamp,Funk / Paper-Sleeve CD(2010 Re-master) / Repertoire/German)