UKのモーガン・ブルー・タウンから、見開きデジスリーヴでのリシュー。リマスター表記はないが音質はわりとクリア。(ファーディナンド・)ジャクリンは、おそらくアレクシス・コナー人脈のブルース系ギタリスト兼シンガー・ソング・ライター(SSW)で、本作は69年にUKステイブル・レコードからジャクリン名義でリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、ジャクリン、トミー・アイアー(ex.エインズレー・ダンバー・リタリエーション,マーク・アーモンド,リフ・ラフ,ゼブラ,etc)、アンディ・レイ(ex.レア・バード,サヴォイ・ブラウン,etc)、ジョン・ピアソン(ex.アンディ・ロバーツ,アンクル・ドッグ,etc)の4人編成、プロデュースはダグラス・ミュー。オリジナルLPは、けっこうなプレミアムで知られる著名コレクターズ・アイテムだが、概ねヘヴィ・ブルース・ロックと呼べるサウンドを展開していて、引き摺るタイプの重さとアンバーで湿った質感は、わりと典型的なブリティッシュ感という印象。ジャクリンのオリジナルに、コナーのカヴァー(6曲目)やアイアーがアレンジを担当したトラッド(1,4,10曲目)を交えた構成で、全体にしつこ過ぎない泥臭さと深過ぎないアングラ感が、けっこういい塩梅のバランスで同居。ジャクリンのボーカルは少しぶっきらぼうだがギターは殊の外粘っこく、アイアーの達者なピアノ&オルガン、メロディアスでノリのよいベースが絡む演奏は、バンド感が担保されていて素直にカッコいい。プレミアム云々を抜きにしてもこの線の好盤と思う。
輸入盤
(Blues&Swamp/Heavy Blues,Psych,Hard / Digi-Sleeve CD(2021) / Morgan Blue Town/UK)