UKのBGOから、71年のセクス「ホーリー・マジック(1~18曲目)」とセヴンス「ウィー・プット・アワ・マジック・オン・ユー(19~26曲目)」の、カップリング2in1CD&04年新規リマスターでのリシュー。2枚ともオリジナルはUKヴァーティゴ。グラハム・ボンドはエセックス州ラムフォード出身のオルガニスト兼管楽器奏者で、60年のゴーディー・チャールズ・クィンテットを皮切りに、ドン・レンデル・クィンテット、アレクシス・コナーズ・ブルース・インコーポレイテッドを経て、グラハム・ボンド・クァルテット、グラハム・ボンド・オーガニゼイション(GBO)を結成、他にもピート・ブラウンとのデュオ・ユニットやジンジャー・ベイカーズ・エア・フォース(GBA)等々幅広い活動を見せたが、74年にドラッグ禍で電車に飛び込み自殺した。エインズレー・ダンバー・リタリエーション、フランク・ザッパ等々のアレックス・ドモチョウスキーとヴィクター・ブロックス、元ファミリー、ブラインド・フェイスのリック・グレッチ、ベーカルーのテリー・プールとキース・ベイリー等々が参加したセクスは、当時ボンドが傾倒していた黒魔術をモチーフとしたコンセプト・アルバム的様相もあるが、基本的にはブルース、ソウル、ゴスペルがゴタ混ぜになったブルージー・ジャズロック・サウンド。ジョン・ウェザース(ex.アイズ・オブ・ブルー、ビッグ・スリープ、アンシエント・グレース、ジェントル・ジャイアント)等が参加したセヴンスは、セクスの延長線上ではあるがよりスッキリした印象で、同時期のGBAにも近似のアフロ・テイストのあるブルージー・ジャズ・ロックを展開。2作品とも、オーガニゼイション期のジャズ色とソロ期のソウル色が交叉していて、黒魔術で括ったわりには全然オドロオロドしくはなく、わりと勢いがあって出来もよくてカッコいい好盤と思う。ある意味クラブでかかっていてもおかしくないモンド色も十分。
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues&Swamp/Blues,Psyche,Jazz Rock / Jewel-case CD(2004 Re-master) / BGO/UK)