UKのエソテリックから、16年新規24ビット・リマスター&3面デジパックでのリシュー。バジャーは、イエスを脱退したトニー・ケイのソロ・アルバム(未完/未発表)の為のセッションが発端となって、72年に新たに結成されたグループで、元パリッシュ&ガーヴィッツ等々のブライアン・パリッシュ、元ウォリアーズのデイヴ・フォスター、元アシュトン・ガードナー&ダイクのロイ・ダイクが集結した。本作は、73年にUKアトランティックからリリースされたファースト・アルバムだが、72年12月15,16日のレインボウ・シアターでのライヴ音源を収録したライヴ盤。メンバーは、前述のケイ、パリッシュ、フォスター、ダイクの4人編成で、ジョン・アンダーソン(ex.イエス)とジェフリー・ハズラム、バンドの共同プロデュース、スリーヴ ・デザインはロジャー・ディーン。オリジナルLPは、中スリーヴを開くと穴熊が飛び出すポップ・アップ式で、ロジャー・ディーンのイラストやイエス関連ということもあって、日本でもわりと知名度と人気があった。ライヴ盤でデビューというのは、よほど腕に自身がないと中々やらない企画と思うが、ジャジー&ブルージーなパリッシュのギターと端正なボーカル、ケイの洪水メロトロン&オルガン、メロディアスなラインで疾走感するフォスターのベース、タイトで引き締まったダイクのドラムが、全員一体となってドライヴする様は素直にカッコよく、湿ったブリティッシュの香りを放つブルージーな哀愁の楽曲群も申し分ない。この、嫌味のないキャッチーさと聴きやすさは、アンダーソンのプロデュースも一役かっているのかも知れず、演奏も楽曲もよい文句なしの好盤と思う。カッコよし!。
輸入盤
(Blues&Swamp/Hard,Progressive / Digi-Pack CD(2016 24bitRe-master) / Esoteric/UK)