韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、21年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様、オビ付。エインズレー・ダンバーはリヴァプール出身のドラマーで、63年に17歳でデリー・ウィルキー・アンド・プレスマンのメンバーとして本格的にプロ活動を始め、エクスチェッカーズ、ザ・モジョス、ジョン・メイオール&ザ・ブルース・ブレイカーズ、ジェフ・ベック・グループを経て、68年にリタリエイションを結成した。何より、この後のフランク・ザッパ、ジャーニー、ジェファーソン・スターシップ、ホワイトスネイク等での活動で知られていると思う。本作は、70年にUKリバティからリリースされたフォース・アルバムで、エインズレー・ダンバー・リタリエイシュン名義。メンバーは、前作からのダンバー、ジョン・モーシェッド(ex.パイレーツ,ショットガン・エクスプレス,etc)、ヴィクター・ブロックス(ex.ピーター・バーデンス,etc)、アレックス・ドモチョウスキー(aka.エロニウス/ex.フランク・ザッパ,etc)の4人が基本だが、半分程の曲はダンバー未参加で、代わりにアネッテ・ブロックスが参加、プロデュースはヴィクター、スリーヴ・デザインはヒプノシス。フル・メンバーによる演奏のディープなブルース感は申し分なく、粘っこさとスタイリッシュさが同居しながら、スリーヴのイメージ通りのアンダーグラウンドな妖しさに収束。ダンバー抜きのナンバー群は、例えば1時期のジョー・ダマー・バンド辺りに通じる空気感で、コテコテのブルース感と枯れたスワンプ感が交叉。全体に妙な味わいの面白いサウンドと思う。
輸入盤
(Blues&Swamp/Blues,Psyche,Swamp / Paper-Sleeve CD(2021 Re-master) / Big Pink Music/Korea)