フランス/EUのエスカピ・ミュージックからのリリース。ヴァニラ・ファッジは、ニューヨーク州ロングアイランド出身のグループで、「キープ・ミー・ハンギング・オン」の大ヒットで知られ、カクタス、ベック・ボガート&アピス、ブーメラン、ボクサー、パイプドリーム、KGB、ザ・ピジョンズ等々数多の関連バンドを持つ解説不要のビッグ・ネーム。本作は、再編ヴァニラ・ファッジが07年にリリースしたレッド・ツェッペリンのトリビュート・アルバムで、メンバーは、マーク・スタイン、ヴィンス・マーテル、ティム・ボガート、カーマイン・アピスのオリジナル・メンバーによる4人編成を基本に、曲によってトム・ヴィトリノがバック・ボーカルで適時参加、プロデュースはアピス。全曲ゼップのカヴァーをやっていて、「アウト・スルー・ジ・イン・ドア」という茶化したようなアルバムのタイトルだが、ある程度原型を留めながら適度に独自のアレンジを加え、ゼップとは一味違った結局ヴァニラ・ファッジとしか言い様のない仕上がりで、パロディではなくまともに正攻法で取り組んでる印象。さらに、「移民の歌」や「ロックン・ロール」、「幻惑されて」、「トランプルド・アンダーフッド」等のお馴染みの著名ナンバーの他、「ユア・タイム・イズ・ゴナ・カム」や「ランブル・オン」、「ブラック・マウンテン・サイド」、「フール・イン・ザ・レイン」辺りの、あまり今までカヴァーされていないシブい曲も織り交ぜたセレクトも面白く、全体にけっこういい感じのカっ飛ばし感十分。何もこの人たちが今更ゼップをカヴァーしなくてもとも思うが、ヘヴィネス満点で上等なアンサンブルも申し分なく、これはこれで素直にカッコよかったりもして、実際かなり楽しめる好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues Hard/Heavy Blues,Psyche / Jewel-case CD(2007) / Escapi Music/France,EU)