カナダのユニディスク・ミュージックから、98年新規リマスターでのリシュー。ディリンジャーはケベック州トロント出身のグループで、ジャック&ロベールのハリソン兄弟が中心となって73年に結成されている。本作は、74年にカナダのダッフォディルからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ジャック、ロベール、ポール・コックバーン、テリー・ブラムホールの4人編成が基本で、曲によってブルース・レイ、デヴィッド・クラシック、マーラ・ラヴズ等が適時ゲスト参加、プロデュースはレイ。ハード・ロックとジャズ・ロックの折衷サウンドというか、適度にキャッチーなメロディ・ラインとブルース基調のジャズ・ロック的楽曲を、プログレ的アレンジとハード・ロック調の演奏で展開していて、ハード・ロック・マナーとプログレ・マナーがわりといい塩梅のマッチングを見せる。全体に、ラウドな武骨さよりも洗練感のほうが前面に出ている印象で、基本的にはプログレ・ハードの範疇という感じだが、キレのいいハモンド・オルガンやハード・ロック然としたギター、ドライヴ感のあるリズム隊による演奏は、ノリがよくてけっこう素直にカッコいい。ゲストの管楽器、キーボード、女性バック・ボーカルも適時ハマっていて、知名度はないかも知れないが手応え十分の好盤と思う。余談だが、DILLINGERは30年代アメリカの『パブリック・エネミー』ジョン・ディリンジャー(John Dillinger)と同じスペルで、おそらくバンド名もそこから取ったと思われ、ウインター兄弟関連ギタリストのリック・デリンジャー(Rick Derringer)とはスペルが違う。
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(Blues Hard/Progressive,Jazz Rock,Blues / Jewel-case CD(1998 Re-master) / Unidisc Music/Canada)