ドイツ・レパートリーからのリシュー。ブラッドロックはテキサス州フォートワース出身のグループで、ジム・ラトリッジやディーン・パークス(ex.スティーリー・ダン,etc)等が63年に結成したザ・ナチュラルズを母体としている。クロウド、テキサス等と名前を変えながら数枚のシングルをリリース、69年にグランド・ファンクのマネージャーのテリー・ナイトと出会い、ナイトの助言でブラッドロックに改名した。本作は、70年にUSAキャピトルからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ラトリッジ、リー・ピッケンズ(ex.リー・ピッケンズ・グループ,etc)、ニック・テイラー、スティーヴ・ヒル、エディー・グランディの5人編成、プロデュースはナイト。概ね、ブルースを基調とした骨太なハード・ロックを展開していて、サイケの残滓や男臭いヘヴィネスは、いかにもクリームやグランド・ファンクの系譜に繋がる印象。ラトリッジの粘っこいボーカルのファンク&ソウル色と、ソロでもバックでも饒舌なピッケンズのギター、チープな音色でツボを押さえるヒルのオルガンが、三人三様のバランスの中で妙なマッチングを見せていて、テイラーのファズの効いたリフ&フレーズ、グランディの太くて安定したベースも悪くない。時折ハーモニー・コーラスを交えたアメリカンなキャッチーさも、イモっぽさに収束しながらハマっていて、この線のアメリカン・ハード系としてはわりと素直にカッコいい。A級のアンサンブルと演奏の下で、B級センスが十分に担保された好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues Hard/Blues,Funk,Soul / Jewel-case CD(1995) / Repertoire/German)