USAのマンダラから、デジパックでのリシュー。ブル・アンガスはニューヨーク州ポキプシー出身のグループで、ラリー・ラファルスとディーノ・パオリッロの2人のギタリストが中心となって、60年代末頃に結成されたようだ。アンガス種の牛を飼育する牧場の納屋を借りてリハーサルしていた時に、このバンド名にしたらしい。本作は、71年にUSAマーキュリーからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ラファルス、パオリッロ、フランキー・プレヴィーテ、ロン・ピッコロ、レニー・ヴェンディッティ、ジーノ・チャールスの6人編成、プロデュースはヴィニー・テスタ。メンバーの多くはイタリア系移民の家系出身らしく、イタリア系だからといってもそのサウンドは必ずしもイタリアン・ロック的ではないが、ブルースを基調としたストレートにハードな楽曲を、わりと荒削りなツイン・ギターと雰囲気十分のオルガン、クッキリしたシャウト・ボーカル、ちゃんとハマっているコーラス、ドカスカでヘヴィなリズム隊で勢いよく展開。ゴリゴリした手触り感と流暢さが同居する演奏はわりと素直にカッコよく、楽曲・演奏ともに一貫してゴリ押し感があって、強引なキメや荒っぽいゴツゴツ感がそのままB級の味わい深さになっている印象。巷ではあまり知名度はないかも知れないが、雰囲気としてはマーク・スタインのブーメランに近い印象もあって、楽曲は適度にキャッチーで演奏も真っ当に上手く、ハード・ロック愛好家ならまずもって楽しめるだろう好盤と思う。
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(Blues Hard/Heavy Blues / Digi-Pack CD(2010) / Mandala/USA)