韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、21年新規リマスター&限定ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様で、インサート、インナー・バッグ入、オビ付。アラモはテネシー州メンフィス出身のグループで、元パリス・パイロットのケン・ウッドリー、元ジェントリーズのラリー・ラズベリー等によって70年に結成されている。本作は、71年にUSAアトランティックからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、ウッドリー、ラズベリー、ラリー・デイヴィス、リチャード・ロズブローの4人編成。概ね、軽快かつ骨太なブルージー・ハードを展開していて、アメリカンなカラっとしたキャッチーさと男臭いラウドネスが上手いマッチングを見せる。砂埃舞うだだっ広い荒野の道を、ハーレーを駆ってカットばすような感じで、サザン・ロック調のスワンプ色とR&B方面の黒っぽいブルース感のバランスもいい塩梅。ともかくも、レズリー仕様のハモンド・オルガンがかなりいい味を出していて、少しルーズなギターとの絡みも悪くなく、野太いシャウト・ボーカルや勢いのよいリズム隊が相俟った演奏は、バンド感十分でわりと素直にカッコいい。全体に、ギターとオルガンのリフを軸とした適度にキャッチーなブルース基調の楽曲、ヘヴィネスとノリのよさが不良感に収束。例えば、ヴァニラ・ファッジやブーメラン辺りに近似するタイプで、ハード・ロック愛好家ならまずもって楽しめるだろう好盤と思う。本作後バンドは解散、ラズベリーはハイスッテパーズを結成、ウッドリーとロズブローは70年代後半にアレックス・チルトンのバック・バンドへ。
輸入盤/限定プレス
(Blues Hard/Blues,Swamp,Psyche / Paper-Sleeve CD(2021 Re-master) / Big Pink Music/Korea)