UKのMCAからのリシュー。ウイッシュボーン・アッシュは、マーティン・ターナーとスティーヴ・アプトンが在籍していたトリオ・バンドのタングルウッドを母体とするグループで、地元デヴォン州トーキーからロンドンに進出後にギタリストが抜けてテッド・ターナーが加入、69年にアンディ・パウエルが加入後ウイッシュボーン・アッシュに改名した。70年にディープ・パープルの前座を務めた時にリッチー・ブラックモアが気に入り、リッチーがプロデューサーのデレク・ローレンスに紹介してデビューに至る。ツイン・リード・ギター・スタイルの代表的存在として広く知られる、ブリティッシュ・ハード系のビッグ・ネーム。本作は、70年にUKのMCAからリリースされたファースト・アルバムで、確か邦題は「光なき世界」。メンバーは、前述のアンディ、テッド、マーティン、スティーヴの4人編成を基本に、1曲でクレジットのないピアノが入る。プロデュースはローレンス、エンジニアはマーティン・バーチ。まだ少し荒削り感が残っていて、セカンド以降程のプログレ色やメインストリーム的洗練感はそれ程顕われてないが、ブルースを基調としたメロディアスなツイン・ギター・サウンドという、ウィッシュボーン・アッシュ的スタイルは既に出来上がっている印象。全体に、生々しさと繊細さが同居していて、佳曲揃いの適度な泣きの楽曲が、ハード・ロックの炸裂感とアンバーな情感に収束。盛り上がるインプロを交えたバンド感十分の演奏は素直にカッコよく、B級感が担保された熱量の高い好盤と思う。ドイツ・プレス盤
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues Hard/Heavy Blues,Progressive,Trad/ Jewel-case CD(1992) / MCA Records/UK,German)