UKのエソテリック・レコーディングスから、19年新規リマスターでのリシュー。音質はクリアで迫力もあってよい。ティア・ガスはスコットランドのグラスゴー出身のグループで、ザル・クレミンソン、クリス・グレン、エディー・キャンベル等が在籍していたマスタードを母体として、69年にティア・ガスに改名した。何よりセンセーショナル・アレックス・ハーヴェィ・バンド(SAHB)の前身として知られていると思う。本作は、70年にUKフェイマスからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、クレミンソン、キャンベル、グレン、デイヴィー・バチェラー、ウーリー・モンローの5人編成、プロデュースはトニー・チャップマン。前述の通り、この後クレミンソンとグレンを含むセカンドのメンバーを中心にSAHBとなるが、本作はセカンド程ストレートなハード・ロックではなく、少しスワンプ色のあるフォーク・ロック・テイストと、ブルージーなハード・ロック・テイストがミックスされた、サイケ色のあるゴッタ煮ブリティッシュ・ロックを展開。この、メインストリーム系とアングラ系の狭間をいく煮え切らなさと寸止めのキャッチーさ加減は、いかにも典型的なブリティッシュ・サウンドという感じで、ヴァーティゴやネオンの作品群辺りにも通じる印象が強い。ストレートなハード・ロックを期待するとスカされるかも知れないが、ともかくもクレミンソンの流暢なギターとグレンのゴリゴリしたベースは普通にカッコよく、楽曲も悪くない。B級ブリティッシュ・ロック愛好家ならわりと素直に楽しめるのではと思う。EUプレス盤
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輸入盤
(Blues Hard/Heavy Blues,Swamp,Psyche / Jewel-case CD(2019 Re-master) / Esoteric Recordings/UK,EU)