UK/EUのエソテリック・レコーディングスから、16年新規リマスターでのリシュー。音質はクリアかつ迫力があってよい。スティームハマーはサセックス州ワーシング出身のグループで、キーラン・ホワイトとマーティン・クィッテントンが中心となって68年に結成され、68~69年のフレディ・キングのUKツアーのバック・バンドを経て、69年にアルバム・デビューした。何より、この後アーマゲドンに参加するマーティン・ピュー、ルイス・セナモ(ex.ルネッサンス,イリュージョン,etc)が在籍していたことでも知られているかも知れない。本作は、70年にUKのB&Cからリリースされたサード・アルバムで、メンバーは、ホワイト、ピュー、スティーヴ・デイヴィー、マイケル・ブラッドリーの4人編成を基本に、1曲でキース・ネルソンのバンジョーが入る。プロデュースも前作と同じフリッツ・フライアー。トールキンの『指輪物語』モチーフの組曲的トータル・コンセプト・アルバムで、前作で見せたプログレ的インプロをさらに突き進めた感じの、プログレとハードの要素が交叉するサウンドを展開。前作1枚でスティーヴ・ジョリフ(ex.タンジェリン・ドリーム,etc)が抜けたことで、演奏はよりハード調にシフトしているが、楽曲と長尺インプロを交えたアレンジは、ブルースを基調としながらもプログレ調を維持している印象。後にアーマゲドンにも通じる、ピューのヘヴィなギター・リフの原形や粘っこいソロが随所に鏤められていて、演奏はわりと素直にカッコいい。ブリティッシュ然とした湿ったアンバーさや煮えきらないサイケ感も含め、全体に濃密で重厚なプログレ・ハード系の好盤と思う。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Blues Hard/Psyche,Progressive / Jewel-case CD(2016 Re-master) / Esoteric Recordings/UK,EU)