オーストリアのイーバルンガ!!!から、デジパックでのリシュー。スコット・セスキンドは、ロサンジェルス出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、UCLAカレッジ卒業後の80年代前半に、ピース・コープス(アメリカ合衆国連邦政府運営の開発途上国へのボランティア部隊)でネパール等に派遣されるが馴染めずにリタイア、帰国後は公共施設などでのロスの街路地図帳販売で生計を立てながら85年にファースト(本作)を自主制作LPでリリース(限定1000枚プレス)した。その後、彼女の妊娠を期にコロラド州ボールダーに移住して95年にセカンド「チャンス」を自主制作カセット・テープでリリース、現在もボールダーに住んでいるらしい。本作は、前述通り85年のファースト・アルバムで、メンバーは、セスキンドのアコースティック・ギター弾語りを基本に、曲によってクリス・ヒッキー(ex.スポイラーズ,ショウ・オブ・ハンズ,etc)が適時バック・ボーカル、ベース、ハサミ等で参加。概ね、シンプルな弾語りスタイルのフォーク調サウンドで、例えばボブ・ディランの「オール・アロング・ザ・ウォッチタワー」や、ママス&パパスの「カリフォルニア・ドリーミング」辺りを彷彿させる、マイナー調を軸とした懐かしさ内包の楽曲を、線が細いながらシャウトも交えた青臭いシンギングで展開。自身の東ヨーロッパ系ユダヤ人家系という出自も時折交えた歌詞も含め、その青臭さが内省感と浮遊感に収束していて、アシッド・フォーク調の暗さが担保された好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/Folk,Post Rock / Digi-Pack CD(2023) / Ebalunga!!!/Austria)