スペインのボーン・レコーディングスから、3面開きデジパックでのリリース。オラ・コーガンはカナダのウエスト・コースト出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、07年にファースト・アルバム「タター」を自主制作盤としてリリース、現在は主にヴァンクーヴァーを拠点に活動しているようだが、スペインでの活動歴もあるようで詳しいことは不明。本作は、08年にスペインのボーン・レコーディングスからリリースされたおそらくセカンド・アルバムで、オラのエレキ・ギター弾語りチューンを基本に、1曲でフレイジー・フォードのハーモニー・コーラスが入る。概ね、明る過ぎず暗過ぎずの淡々とした楽曲を、アルペジオとカッティングを織り交ぜたこもり気味のエレキ・ギターと、倍音多めでくぐもり感十分のボーカルで展開する、非常に雰囲気のよいアシッド・フォーク・サウンド。楽曲の感じや空気感は、例えばマリー・スー辺りに近似する印象もあって、これは適度な湿度と気候が育むアメリカ大陸西海岸の豊な森的雰囲気なのかも知れない。特に目立つ曲があるわけでなく強いインパクトもないが、それなりにパターンが練られヴァリエーションのあるギターはわりと達者で、弾語り然とした間で浮遊するボーカルと絶妙のハマり具合を見せる。ともかくも流していて心地好いというか、このリンダ・パーハクスやマリー・スー、シビル・ベイヤー辺りに通じる前に出過ぎない感じのシンプルな佇まいは、とても的を射た涼しさと暖かさを放つ。時間の流れと空気の色が変わる、女性ボーカル・アシッド・フォーク文句なしの好盤と思う。心地好し!。
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(Acid Folk/SSW,Folk / Digi-Pack CD(2008) / Borne Recordings/Spain)