USAのホエール・ウォッチから、デジパックでのリリース。マリー・スーはカリフォルニア州ネバダ・シティ出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、04年と06年に自主制作で2枚のアルバムをリリース後、ジョアンナ・ニューサム等の前座を務めるようになり、07年にグラス・ルーツ・レコードから「フェイス・イン・ザ・ロックス」でデビューした。本作は、12年にリリースされたセカンド・アルバムで、マリーのアコースティック・ギター弾語りを軸に、ケイト・ハーディン、ショーン・ケイ、ゲイリー・ソボーニャ、トム・メニグ、ジェフ・マンソン等々が曲によって適時参加、プロデュースはケイ。非常に淡々とした哀愁のアシッド・フォークを展開していて、父親がポーランドとハンガリーのハーフ、母親はスペインとネイテヴ・アメリカンのハーフという多民族の血が流れていることもあってか、ヨーロッパ的なくぐもり感とアメリカ的なカラカラ感が同居した、独特な国籍不明の浮遊感を放つ。メインのマリーとハーモニーのケイトの声は、2人ともヴァシュティ・バニアン辺りに近い倍音が多いノン・ヴィブラート系の線の細いタイプで、ともかくもくぐもり感満点。バックは概ね控え目だが的確で、アコースティック&エレキ・ギター、ペダル・スチール、マンドリン、チター、チェロ等の弦楽器群の乾いた音色と、薄く入るメロトロンのようなアナログ・シンセ、オルガン、そしてボーカルの湿ったアンバー感の調和が絶妙。淡々と哀しげな楽曲もよく、確実に時間の流れと空気の色が変わる非常に心地好い大好盤と思う。アシッド・フォーク&女性ボーカル愛好家はまずもって要チェックかも。素晴らしい!。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/SSW,Psyche,Swamp / Digi-Pack CD(2012) / Whale Watch/USA)