UKのトーキング・エレファントから、本作制作時セッション音源4曲(UKエソテリック盤と同じ)をボーナスで加えての、デジパックでのリシュー。特にリマスター表記はないが、音質はクリアで奥行きもあってよい。スパイロジャイラは、マーティン・コッカーハムとマーク・フランシスが故郷のボルトンで68年に結成したフォーク・デュオを母体として、コッカーハムがカンタベリーのケント大学在学中に本格的な活動を開始している。本作は、72年にUKのB&Cからリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのコッカーハム、バーバラ・ガスキン、スティーヴ・ボリルの3人に、旧友フランシスを加えた4人編成が基本だが、前作のメンバーだったジュリアン・キューザックと、ドラムも引き続きデイヴ・マタックスが担当している他、リック・ビドルフ、アラン・レイング等が曲によってゲスト参加、プロデュースはマックス・ホール。ファースト同様に、コウマスやインクレディブル・ストリング・バンド的なストレンジ感はあるが、やんわりとフェアポート的バンド感が加味されていて、よりキャッチーさが増した感じで聴きやすくなっている印象。バーバラの美しいボーカルの比重が増えているのも、聴きやすくなった主な理由の1つかも知れず、相変わらずストレンジ感とくぐもり感のバランスは危ういが、これがこのバンドの味でもあるというか、バーバラのくぐもったノン・ヴィヴラート・ボーカルは、非常に涼しげでエレガントなくぐもり感を放つ。ヴァイオリンやチェロを含む弦楽器アンサンブルもけっこうハマっていて、楽曲もそれなりに面白く、スリーヴも悪くない1枚。ボーナスは、11,13曲目が初出未発表と思われる。
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輸入盤
(Acid Folk/Progressive,Folk Rock,Psyche / Digi-Pack CD(2017) / Talking Elephant/UK)