UKのアシッド・ジャズ・レコードから、見開きデジスリーヴでのリリース。ジュディ・ダイブルはロンドン出身の女性シンガー・ソング・ライター(SSW)で、何よりフェアポート・コンヴェンション、トレイダー・ホーンでの活動や、プログレ系リスナーにはジャイルズ・ジャイルズ&フリップ(GG&F)の末期に参加していたことでも知られていると思う。アンディ・ルイスはロンドンを拠点に活動するミュージシャン兼プロデューサーで、ソロやピムリコ、スペアミントの他、アシッド・ジャズ・レコードのプロデューサーやポール・ウェラーのバック・バンドでの活動などでも知られているかも知れない。本作は、17年にリリースされたデュオ名義アルバムで、メンバーは、ボーカルと各種楽器のジュディとルイスを軸に、曲によってアリソン・コットン、ピート・トワイマン、ジャネット・ルイス、リズ・ルイス、ロバート・ロティファー、ジョニー・クック等々が適時参加。概ね、シンプルなローファイ色のある演奏に、フィールド効果音的SEやエレクトロニクスを絡めた、当世風アシッド・フォーク的サウンドを展開していて、サウンド・デザインがスタイリッシュというか、アシッド・フォークをアシッド・ジャズ・レコードのセンスで処理したような感じ。年季の入ったアシッド・フォーク愛好家の中には、このオシャレ感に違和感のある向きもいるかも知れないが、ジュディのボーカルは近年の彼女の作品群と同じテイストで、ルイスのプロデュースや音像も的を射ていて、様々な音が浮かんでは通り過ぎていく様はわりと素直に心地好い。スタイリッシュさが郷愁感に収束していく感じも見事で、可愛らしくも儚げな好盤と思う。ジュディに合掌!。
輸入盤
(Acid Folk/Psyche,Folk,Electronics/ Digi-Sleeve CD(2017) / Acid Jazz Records/UK)