UKのビッグ/サン・レコードから、ペーペースリーヴでのリリース。クリス・ブレインはヨークシャー州出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、リーズを拠点に活動しているらしい。20年にデジタル配信で曲リリースを始めているが、それ以前からライヴ活動を行なっていたかも知れない。本作は、22年にリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、ブレインのアコースティック・ギター弾語りスタイルを基本に、曲によってシメオン・ウォーカーがピアノ、メリー・ジェーン・ウォーカーがヴァイオリンで適時参加。概ね、ブリティッシュ然としたくぐもり感十分の、木漏れ日系アシッド・フォーク調サウンドを展開していて、声を張らないシンギングや明るくて哀しいメロディ、ギターのコードやアルペジオの浮遊感系の響きなどなど、わりと端的にニック・ドレイク辺りに近似する印象。リーズの教会のネイヴ(礼拝所?)で無観客ライヴ・レコーディングしたとあり、カラっと湿ったギターやバイオリン、ピアノ、アンバーなブレインの歌声の響きの拡がりが実にいい塩梅で、ともかくも流していて非常に心地好い。おそらく、DADGADやオープン系などなど、レギュラーも含め幾つかのチューニングを曲ごとに使い分けていて、その方面のある種の煮え切らないコード感や、前に出ない感じの淡々とした情感、2~4分程度の曲の長さ、突出した強いインパクトの曲はないが粒が揃っていてずっと聴き続けていられる感じは、結局どうしてもドレイクを彷彿させられるが、この人なりの個性はちゃんと感じられ、決してエピゴーネンや二番煎じということではない。ドレイク方面が好きな人は勿論、ブリティッシュ・フォークや木漏れ日アシッド・フォーク系愛好家は、まずもって楽しめるだろう好盤と思う。心地好し!。
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輸入盤
(Acid Folk/Folk,SSW / Paper-Sleeve CD(2023) / Big Sun Records/UK)