UKのシーリー・コート・デジタルから、マット紙見開きデジスリーヴでのリシュー。21年新規リマスター盤、380枚限定プレス、多分初CD化。ザ・ベンジャミン・デラニー・リオンは、シュロップシャー州ウェリントンのリーキン大学美術科の学生だった、エイドリアン・ルイスとロジャー・レイサムを核とするフォーク・ユニットで、サイモン&ガーファンクルやドノヴァン、インクレディブル・ストリング・バンドのカヴァーなどを中心活動していたらしい。本作は、69年にバーミンガムのレコーディング・スタジオのホーリック&テイラーから、70枚程度のプライヴェート・プレスで自主制作盤としてリリースされた唯一のアルバムで、オリジナルLPは20万円を超えるコレクターズ・アイテム。はっきりとしたメンバー・クレジットがなく、CD中スリーヴのルイスの回顧ライナーによると、おそらくルイスとレイサムのデュオ編成と思われる。概ね、少々のストレンジ色を内包したアシッド・フォーク調サウンドを展開していて、回顧ライナーに『大学の卒業記念で制作したが、手持ちのオリジナル曲が少なかった』とある通り、オリジナルにインクレディブル・ストリング・バンドとドノヴァンのカヴァーも交えた構成。2本のアコースティック・ギターと線の細いボーカルによる演奏は、アンサンブルという程の物でもなく普通に素人っぽいが、淡々と儚い感じの頼りなさが結果として味わいを生んでいて、ヒッピー調の内省的な空気感はわりと心地好い。インクレディブル・ストリング・バンド等のカヴァーも含め、明るすぎず暗すぎずの宙吊り浮遊感やアングラなサイケ感のハマりも悪くなく、この線としては十分に聴ける範疇と思う。
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輸入盤/限定380枚プレス
(Acid Folk/Folk,Strange / Digi-Sleeve CD(2021 Re-master) / Seelie Court Digital/UK)