ノルウェーのノルスケ・アルバムクラッシケレから、21年新規リマスター&見開きデジスリーヴでのリシュー。音質はクリアでよい。オリエンタル・サンシャインはおそらくベルゲン出身のグループで、この後サフト、ホール・イン・ザ・ウォール、フライング・ノルウェージャンス等々のルーヌ・ワレが中心となって69年頃に結成されている。本作は、70年にノルウェーのフィリップスからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、ワレ、ニーナ・ヨハンスン、サトナム・シンのトリオ編成を基本に、曲によってヘルゲ・グレスリー(ex.ユニファー・グリーン,etc)、ステューレ・ヤンセン、エスペン・ルード(ex.ミン・ブル,ロータス,ETC)等が適時ゲスト参加、プロデュースはミカル・アース。シタール、リコーダー、タブラ、オルガン、ピアノ、ギター等々によるエレガントなアシッド・フォーク調のバックに、清楚な女性ボーカルを中心としたドリーミーな英詞ボーカルが流れる、雰囲気十分のパストラル・フォーク調サウンドを展開。ともかくも清々しく涼やかで、ポカポカと晴れた昼下がりに木陰でボ~っと遠くの雲を眺めているようなまったり感というか、フワ~っと優しい肯定的サイケ感はほぼ満点。シタールとギターを軸に淡々と流れるアンサンブルは素直に心地好く、特段に毒も引っ掛かりも強くはないが、時間の流れが変わり日常の喧噪から脱出することが出来る。その意味ではトリップ・ミュージックとしても成立していて、ある種の健康的な妖しさを放つ優れて瞑想的で正しくサイケな好盤と思う。本作後グループは解散、ワレは前述の通りサフト、ホール・イン・ザ・ウォール、フライング・ノルウェージャンスを経て、76年にアメリカのカントリー・ロックバンドのオザーク・マウンテン・デアデヴィルスへ。
輸入盤
(Acid Folk/Psyche,Indic Raga,Progressive / Digi-Sleeve CD(2022 Re-master) / Norske Albumklassikere/Norway)