UKのアンシーン・ワールズから、ペーパースリーヴでのリシュー。見開き&カンガルー式紙ジャケ仕様。マリア・モンティはミラノ出身のシンガー兼シンガー・ソング・ライター(SSW)兼女優で、50年代中頃からミラノのキャバレーでプロとして歌い始め、70年代以降はフォーク系やジャズ系歌手活動以外に、女優として数多の映画やTVドラマに出演している、イタリアでは知られたビッグ・ネームの1人。本作は、74年にイタリアのリフィ・レコードからリリースされたソロ名義セクス・アルバムで、12年リマスターのアンシーン・ワールズ盤CDの18年再プレス盤。クレジット・メンバーは、マリア、アルバン・カラン、スティーヴ・レイシー、ロベルト・ラネリ、ルカ・バルボ、トニー・アッカーマンの6人で、プロデュースはエッツィオ・レオーニ。概ね、音響アヴァン・ジャズ方面で括られるサウンドを展開していて、アレンジを担当したカランの色が強く顕れている印象。楽曲自体は、ジャズ&キャバレー・ミュージック調かアシッド・フォーク調で、存外にメロディアスで聴きやすいが、水関連や人声、鳥&動物の鳴声等々のSE的ノイズが随所で挿入され、必ずハミ出すシンセ、美しいピアノ、しゃべるようなソプラノ・サックス、ドローン調のバリトン・サックス、地中海音楽&古楽調のナイロン&スチール弦ギター等が相俟った、非常に独特のアヴァン色のあるアンサンブルを堪能出来る。表情豊かだがしつこ過ぎないマリアのボーカルも非常に上等で、特に、音響アシッド・フォーク的様相の1,2,8~10曲目辺りは、ともかくも心地好くて秀逸。正しくサイケで濃密な大好盤と思う。素晴らしい!。
輸入盤
(Acid Folk/Psyche,Avant-Jazz,Electronics / Paper-Sleeve CD(2018 '12Re-master) / Unseen Worlds/UK)