フランスのアリアーヌ・プロダクシオンから、限定ペーパースリーヴでのリリース。見開き紙ジャケ仕様。ロトーヌは、おそらくフランス南東部アルデシュ地方を拠点とするデュオで、本作は24年にリリースされた(只今のところ)ファースト・アルバム。メンバーは、ヴォーカル&ギターのバティスト・デュプレと、古楽/民族ハープ&コーラスのダヴィッド・ミレのデュオが基本的と思われるが、曲によって他にもキーボードやパーカス、エレクトロニクス等々が適時入り、クレジットが不明で2人だけでやっているのか他にも参加者がいるのかはよく判らない。概ね、淡いトラッド的情感がある程度担保された、前に出ない佇まいのアシッド・フォーク調サウンドを展開していて、楽曲のしつこくない郷愁感と的を射たシンプルさの演奏が、非常にいい塩梅のマッチングを見せる。素朴なギター弾語り調の呟くようなボーカルや、どこかプサルテリーに似た響きも出すハープを軸に、曲によってエレピやオルガン、エレクトロニクス、パーカスなどを薄く織り交ぜながら、淡々と流れていく涼やかなサウンドスケープは、ともかくも流していて心地好い。ガット・ギターの乾いた音色と、ハープのちょっとだけ湿った音色に混じって、時折ウードやカーヌーンのような音色やスライド・ギターも鳴っていて、シンプルながらよく練られた無駄のないアンサンブルはかなり上等。当世風のリヴァーブ処理のハマりが絶妙で、全体が儚い浮遊感に収束していく感じだが、2人のリアルな存在感は凛としていて、空気の色と時間の流れが変わる、とても上質な好盤と思う。スリーヴも素敵。
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輸入盤
(Acid Folk/Folk,Progressive / Paper-Sleeve CD(2024) / Ariane Productions/France)