フランス/EUのサビアから、コーティング&3面デジパックでのリシュー。ドム・ラ・ネーナは、パリ在住のブラジル系フランス人女性シンガー・ソング・ライター(SSW)、ドミニク・ピントのユニット名というか芸名で、ブラジルで生まれアルゼンチンのブエノスアイレスとパリで育ったらしい。12年に5曲入ミニ・アルバムCD-Rを自主制作でリリース後、同じ12年にファースト・アルバムとなる本作をUSAシックス・ディグリーズ・レコードからリリースしてデビュー、現在までにローズマリー・スタンドリーとのバーズ・オン・ア・ワイアーも含め7枚程のアルバムを制作している。メンバーは、ボーカル、チェロ、アコースティック・ギター、ウクレレ、ハーモニウム、ヴィブラフォン、パーカス等々をマルチに熟すラ・ネーナと、ギター、コラ、シロフォン等々のピアース・ファッチーニ(ex.シャーリー・マーロウ,etc)を核に、曲によってキーラン・スミス、キコ・ディヌッチ(ex.パーソナル・チョイス,etc)、ギリェルミ・カストルッピ、チアゴ・ペティット、カミーユ等々が適時参加、ラ・ネーナとファッチーニの共同プロデュース。例えば、ブリジット・フォンテーヌ方面のフレンチ・アシッド・フォークに、ブラジル音楽の素朴な側面やポスト・クラシカル的要素を織り交ぜた感じの、ちょっと独特のフォーク調サウンドを展開。ラ・ネーナとファッチーニ以外の多くはサン・パウロのミュージシャン達だが、それ程ブラジル色が強く顕れている感じでもなく、ラ・ネーナの儚くて細いウィスパー・シンギングと、ピチカート奏法を交えたチェロ、アコギやピアノ、ハーモニウム、グロッケンシュピール辺りを軸とした、素朴で枯れた味わいのシンプルなアンサンブルは、ともかくも流していて非常に心地好い。全体に、どこか懐かしい感じのアンバーな情感が、淡々とアシッド・フォーク的浮遊感に収束していく好盤と思う。
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輸入盤
(Acid Folk/Progressive,Ethnic / Digi-Pack CD(2023) / Sabia/France,EU)