オランダのスノースター・レコードから、デジパックでのリリース。ブロイデル・ディーレマンは、ジーランド出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)のトニー・ディーレマンを軸とするユニットで、本作は13年にリリースされたファースト・アルバム。ディーレマンは、少なくともボーカルとギターを担当していると思われ、他にも曲によって女性ボーカル、ピアノ、バンジョー、チェロや、コンサーティナ、グロッケンシュピール、ミュージック・ソウ的な楽器も入るが、メンバー・クレジットがなくて詳細は不明。プロデュースはピム・ファン・デ・ウェルケン。アコースティック・ギター弾語り的なシンプルなスタイルを基本とした、淡々と物悲しいアシッド・フォーク的サウンドだが、リバーヴのかかったエレキ・ギターやチェロではないかと思われる音も使った独特のドローン感があって、音響系的とも言える空間にトツトツと語るようなボーカルが淡々と響き渡る。アコースティック・ギターやバンジョーの乾いた音色と、少し太くてくぐもった声のボーカルのマッチングもよく、この素朴で引き締まった郷愁を放つ情感は、雪の積る季節のある土地に暮らす人の音楽という印象。14年にリリースされたセカンドのほうがインパクトは強いが、本作の素朴な雰囲気は十分に捨て難く、独特のドローン感も非常に心地好い。確実に時間の流れと空気の色が変わる、文句なしのアシッド・フォーク系の好盤と思う。
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輸入盤
(Acid Folk/Psyche,Progressive / Digi-Pack CD(2013) / Snowstar Records/Holland)