UKのロック・キャンディから、12年新規24ビット・リマスターでのリシュー。音質はクリアで、新規ブックレットも充実している。パリスは、フリートウッド・マックを辞めたボブ・ウェルチが、元ジェスロ・タル、ワイルド・ターキー等々のグレン・コーニックと、元トッド・ラングレンのナッズのトム・ムーニーとともに、75年に新たにロンドンで結成したグループで、すでに3人ともそれなりのキャリアを持つビッグ・ネーム達のスーパー・バンドとして、デビュー当時はかなり話題となった。本作は、75年にUKのEMIからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、前述のウェルチ、コーニック、ムーニーのトリオ編成、プロデュースはジミー・ロビンソン。端的に云って、いかにもツェッペリン・ライクなポップ・ハードを展開しており、随所にプラント的なボーカルとペイジっぽいリフが鏤められていて、けっこうエッチでエレガントな印象。ボーカルとギターのツェッペリンっぽさは否めず、このちょっと笑っちゃう程のクリソツ感は、後のカヴァーデイル&ペイジと似たようなものかも知れない。とはいうものの、完全にエピゴーネンという程ではなく、リズムの粘っこさやファンキー&ブルージーなリフにはそれなりにオリジナリティが感じられ、楽曲も必ずしもゼップ・ライクなものばかりではない。この線としては、例えばディテクテヴ辺りといい勝負という感じもするが、ともかくもセンスB級演奏A級のブルージー・ポップ・ハード系として、わりと素直にカッコよく出来も悪くない好盤。ウェルチに合掌!。
輸入盤
(Pop Hard/Blues,Funk,AOR / Jewel-case CD(2012 24bit Re-master) / Rock Candy/UK)
Bob Welch(vo,g)
Glenn Cornick(b,kbd)
Thom Mooney(ds)
Produced by Jimmy Robinson
収録曲目
01.Religion
02.Black Book
06.Starcage
04.Beautiful Youth
05.Nazarene
06.Narrow Gate (La Porte Etroite)
07.Solitaire
08.Breathless
09.Rook Of Ages
10.Red Rain