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UKのゴンゾ・マルチメディアから、91年のマテリアリ・ソノリ・レーベル・マガジン「ソノラ」のオマケCDに収録されていたレア音源1曲をボーナスで加えてのリシュー。サード・イアー・バンドは、グレン・スウィニーとデイヴ・トムリンが60年代中期に結成していた、ジャイアント・サン・トロレイとハイドロゲン・ジュークボックス(HJB)という2つのグループを母体として68年1月に結成され、その後独特のヒプノティック・ドローン・ミュージックを展開した、希有で素晴らしいグループ。本作は、93年にイタリアのマテリアリ・ソノリからリリースされたエイス・アルバムで、再結成3作目。メンバーは、スウィニー、リン・ドブソン(ex.ソフト・マシーン,etc)、ミック・カーター、ニール・ブラックの4人編成で、ボーナスはドブソンがバリー・エドガー・ピルチャー(ex.HJB)に交代した4人編成。概ね、エレクトリック・アンサンブルの頂点の1つといえる作品で、アコースティック・アンサンブル時代をアブストラクトなファンタジーとするなら、本作はリアルなドラマであり明らかに別種のカタルシスが感じられる。逆回転のようなミディ・ギターと分厚いミディ・ヴァイオリンのうねり、ジャジーなソプラノ・サックス、ノイジーなウインド・シンセ、哀愁のボーカル、乾いた響きのパーカス等々が、一体となって生み出すグルーヴ感は猥雑な香り十分。セカンド収録の「ウォーター」のリメイク的な4曲目は、リズムがよりリズミカルに躍動するイメージで、「ウォーター」は川でこの曲は海という風にも受け取れる。全体に、従来のカオティックな呪術感、煙のようにエントロピーが増大していく浮遊感や宙吊感が、ドブソンが持ち込んだであろうブルージーな要素と面白いマッチングを見せていて、非常に心地好いゆらぎを堪能出来る好盤と思う。TESオビ・解説／人脈図付
輸入盤
(Psyche/Progressive,Drone / Jewel-case CD(2017) / Gonzo Multimedia/UK)
Glen Sweeney(per)
Lyn Dobson(sax,fl,wind-syn,chants)
Mick Carter(midi-g)
Neil Black(midi-vln)
Barry Edgar Pilcher(wind,syn)bonus
Producerd by Third Ear Band
収録曲目
1.Sirocco Song/シロッコ・ソング
2.Midnight Drums/ミッドナイト・ドラムス
3.Spell Of The Voodoo/スペル・オブ・ザ・ブゥードゥー
4.Dances With Dolphins/ダンセズ・ウィズ・ドルフィンズ
5.Water Into Wine/ウォーター・イントゥ・ワイン
6.Alchemical Raga/アルケミカル・ラーガ
7.Psychedelic Trance Dance/サイケデリック・トランス・ダンス
bonus track(from Extra CD of Materiali Sonori Magazine "Sonora" 1991):
8.Raga Of The Wind/ラーガ・オブ・ザ・ウインド
