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UKのエソテリックから、07年新規24ビット・リマスターでのリシュー。音質はクリアで迫力もあってよい。マースピラミは、ハッソン兄弟を中心に60年代末にブリストルで結成されたグループで、本作は70年にUKトランスアトランティックからリリースされたファースト・アルバム。メンバーは、フレッド・ハッソン、リアリー・ハッソン(ex.CMU,etc)、デイヴ・レヴロック、ジェシカ・スタンリー・クラーク、リッキー・ヒックス、マイク・フォラコーの6人編成で、プロデュースはマーク・エドワーズ。ジャーマン・ロック的なカオティック感のある、ちょっと独特のサイケ・プログレを展開していて、わりとせっかちで暑苦しいアングラ臭十分のサウンド。クレシダのようなオルガン、哀愁を帯びたフルート、ブルージー・ハードなギター、ヘヴィで疾走感のあるリズム隊が、渾然一体となって張りつめた緊張感の下で鬼気迫る爆発を見せる。サイケ、プログレ、ジャズ・ロック、ハード・ロックのゴタ混ぜな煮え切らなさが、全体に漂う終末感に収束していき、ある種独特の迫力を生んでいるという印象。ところでしかし、ひとしきり盛り上がった後にまずもってその流れを壊して次の展開へ進むという、あまのじゃく的な裏切りの展開が妙な味わいも放っていて、その線としてはある意味ブリティッシュ・アンダーグラウンドの典型ともいえるサウンド。ラウドさとアバウトさを内包した勢い一発的演奏は、それ程上等というわけではないがけっこうカッコよく、このB級の捨て難さと味わい深い深さは、ある程度年季の入ったブリティッシュ・ロック愛好家なら楽しめるのではと思う。
輸入盤／デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Hard / Jewel-case CD(2008 24bit Re-master) / Esoteric/UK)
Fred Hasson(vo,hmca,per)
Leary Hasson(kbd)
Dave Laverock(g,vo,per)
Jessica-Stanley Clarke(fl,vo)
Ricky Hicks(b)
Mike Fouracre(ds,per)
Producerd by Mark Edwards
収録曲目
1.Dorian Deep
2.Born To Be Free
3.And Eagle Chased The Dove To Its Ruin
4.Ab Initio Ad Finem(The Opera)
5.Facilis Descencus Averni
